松本潤主演・99.9―刑事専門弁護士― 視聴率急増の理由は?
松本潤が主演する日曜ドラマ「99.9ー刑事専門弁護士ー」
1. 今期民放ドラマトップの視聴率
初回の視聴率も15.5%と、今期の民放ドラマ第1位を記録したが、第2話になってさらに視聴率が伸びている。
なんと驚きの19.1%だ。
ドラマの視聴率は第1話が一番高くなる傾向がある。
それは、「とりあえず観てみる」→「面白くないからやめる」というドラマの方が多いからである。
反対に第1話から伸びるドラマというのは、
「とりあえず観てみる」→「予想以上に面白かったから他の人に教える」→「興味を持った人が観る」
という理由がある。
過去のドラマを見ても、大ヒットするドラマというのは必ず右肩上がりなのである。
例えば、2011年に大ヒットした日本テレビ「家政婦のミタ」は、第2話が最低視聴率18.7%、そこから右肩上がりで最終回は驚異の40%である。
2013年、TBS「半沢直樹」は初回が19.4%で、その後右肩上がりに上昇し、最終回は家政婦のミタを超える42.2%である。
2015年放送、TBS「下町ロケット」も同じく初回が一番低く、16.1%。多少の乱降下をを繰り返しながらも最終回で22.3%を記録している。
ほとんどのドラマの視聴率が下がってしまう中、なぜ「99.9」は視聴率を上げることが出来たのだろうか。
2. 人は緊張状態からの解放が好き
家政婦のミタは、一見訳のわからない異常とも言える家政婦が、謎が解けるに従って次第に心を解いていく、という展開で非常に視聴率を上げた。
だから、視聴率の伸びは後半が大きい。
半沢直樹は、悪役に追い込まれてからの逆転劇が非常に目立つ。
下町ロケットも同様で、潰されそうになりながらも必死の努力でそれを乗り越える様が、多くの頑張る現代人の心に響いたのだろう。
そう、人は「不安から安心」「緊張から弛緩」「敗北から勝利」と言った、マイナスの状態からプラスの状態へと変化することが大好きなのである。
それをいかにスカッとわかりやすく視聴者に見せるかどうか。これが視聴率を上げる大きな原因ではないだろうか。
裁判モノはその点非常にわかりやすいだろう。
敗北濃厚でどうするんだろうという緊張感、不利な状態から、逆転の一手で華麗に勝利する開放感。
そのわかりやすさがこのドラマの視聴率を上げていると言っても過言ではない。
なお、今期は初回より視聴率を上げているドラマがもう一つある。
大野智主演・「世界一難しい恋」である。
ただでさえ暗いニュースが多い現代、フィクションの中くらいは明るいものを見たいのが心情。
暗い恋愛ドラマとか、今時誰も観たがらないんでしょう。